質蔵
こんにちは。名古屋の質屋・トダ屋店主の戸田です。
今回はお客様からお預かりした品物を保管する蔵(保管庫)についてのお話です。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、質屋にある蔵(保管庫)には質屋営業法、政令、省令(施行規則)により、防犯、災害に対応するための厳しい基準が定められています。
この基準をクリアしなければ、質屋を営業することが出来ません。
そんな質屋の中でも非常に重要な設備である蔵。ただ一般の方はあまり見る機会はないと思います。
だからでしょうか。
想像力を掻き立てられるようで、この質蔵をテーマにした有名な古典落語があります。
タイトルは「質屋蔵」。
三代目桂米朝、六代目三遊亭圓生が得意としていたそうです。
ある質屋の蔵に怪現象が起きると噂が立ち、放っておくわけには行かない旦那が番頭に見張りを依頼するが…というところから物語がスタートする落語です。 詳細は割愛しますが、面白いので興味のある人はぜひ一度聴いてみて下さい。
以前ご紹介したことのある曲亭馬琴[滝沢馬琴]の『昔語質屋庫』も、質屋の庫にある道具たちが夜中に・・というお話でしたよね。
『昔語質屋庫』は道具たちがそれぞれの仮の姿を現わして身の上話をするという話で、「諸葛孔明陣大鼓」「平将門袞竜装束」「橘逸勢薄命一行物」「九尾狐裘」など歴史上の有名な事件や人物をテーマにした内容です。(国立国会図書館デジタルコレクションで確認できます。
リンク先 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/879628)
「質屋蔵」も菅原道真という歴史上の有名な人物がオチになっています。
歴史があり、人の生活に密着した質屋。その中で重要な役割を担う蔵だからこそ古典落語や曲亭馬琴も話の舞台にしたのかもしれません。
蔵をお見せすることはできませんが質トダ屋にお越しの際は、このお店にも蔵があるんだなぁ・・と「質屋蔵」や「昔語質屋庫」を思い出していただけると嬉しいです。
質トダ屋は名古屋の太閤通り沿いの路面店。
高額査定とアクセスの良さが自慢のお店です。